stereograph

女子中学生の色々

ミックス

1日目

あらかたアレンジも終わり、そろそろミックスを始めなければいけないなと思う。滅茶苦茶に散らばったクリップの山を見て、しばし呆然とする。

手をつけねば終わらぬと、散らばったトラックを繋ぎ合わせて適当にステムを組み始める。まあ片付いたところで寝る時間が来たので今日はおしまい。

 

2日目

改めて組んだステムをじっくりと眺める。製作中にノリノリで突っ込んだエフェクトが散らばり収集がつかなくなっている。インサートエフェクトでリバーブが突っ込んであったりする。しかもその後にビットクラッシュとアンプシミュが続いていたりして、これを作った奴は頭がおかしいのではないと思う。へんてこなエフェクトを一通り外してさあどうだ、と聴いてみると、大変常識的な鳴りになって、面白みが0になってしまった。ひたすら頭を抱える。1回休み

 

3日目

異常なエフェクトを半分くらい整理してどうにか片付いてきた。とりあえずローからばっさりと切っていく。4つ打ちで踊らせたいのでもない限り基本切る。キックが下ならベースはもっと切る、逆も然り。

リズムが大体決まってくるとモニタースピーカーできちんと聴きたくなる。しかし安普請の部屋で鳴らしたら隣人がダイレクトアタックしてくるに決まっている。いつも使ってるヘッドホンとイヤホンでちゃんと聴こえたら合格ではないか。中学の頃から*1使っているMDR-Z700DJを信用せよ。

ヘッドホンでミックスをすると音場が狭くなり低音が減るということは経験則で分かっているので、その辺は意識して作業する。

しかししばらくすると耳が痛くなり、完全に終わってしまう。今日はこれにて終了。

 

4日目

ミックスを進めているとどんどん音が飽和してくる。道具のせいにはしたくないけど、Ableton Liveのミキサーはあんまり音良くないと思う。ふと、Propellerhead Reasonのコンソールでミックスしたらどうなるかと考え、雑に全トラックパラて書き出してReasonに突っ込む。ReasonのメインミキサーはSSL 9000kのエミュレーションになっていて、大変音が良い。特にコンプレッサーがよく、通すだけでいい感じにまとまってしまう。一方で、EQでザクザク切っていく手法には弱く、手数が増えてしまう。せっかくだけども、オートメーションを描くのが辛すぎるので諦めてAbletonに戻る。この流れだけで2時間消費していることに焦る。

一旦基本に帰ろうと全部のフェーダーを下げる。1からバランスを取るとかなりましになった気がするが、失った2時間は取り戻せない。2つ戻る。

 

5日目

MS処理は大変便利で、一般的には音圧を稼ぐ手法として人気なのかもしれないけど、僕はL/R以外に音を置く選択肢が増えるということが気に入っている。Midを完全に切ったSide(これは位相の関係で端よりも若干内寄りの位置で聴こえる)、聴感上のSideの端、ややMid寄りのSide、完全なMidといった具合に分けて、それぞれでコンプをかけてやるといい感じにしゃっきりしてくる。そろそろマスターに何かかけてまとめ始めるかというところで、マスターにサチュレーターを突っ込みたくて仕方なくなってくる。やめておけ、と頭では考えるが、やんちゃな女子中学生が、それ突っ込んだら絶対楽しいぞとそそのかしてくる。知ってる、絶対楽しい、ていうか突っ込んじゃったので楽しい。スネアの居所のミッドレンジがぐっと強調される。ロックの音だ、山下達郎っぽい音だとはしゃぐが、バランスは崩れている。3マス戻る。

 

6日目

同じ曲を繰り返し聴きすぎて何がいい曲か全くわからなくなる。整理された音よりもドロドロに濃い音のほうがいいだろう、とやりたいことをやり散らかしてマスターにテープコンプをかけてぶっ潰した結果、濃すぎて聴き返すのがあまりにつらい曲になり、全てが終わってしまう。

 

 

*1:現役女子中学生なので訂正した